【看取りが不安な介護士必見】夜勤時の看取りについて知っておきたいこと!看取りは大変だけど貴重な経験になる!現役介護士の看取り体験談
※本ページはAmazonアソシエイトを含む広告を利用しています
わたしは、特別養護老人ホームに勤める6年目介護士です
介護福祉士資格を取得する前に勤務していた特別養護老人ホームでも、51歳で転職した現在の特別養護老人ホームでも看取りを経験しています
現在、国の発表によると特別養護老人ホームの76.1%で看取りを実施していると言われています(2022年10月時点)
あくまでもわたしが勤めていた特別養護老人ホームと、現在勤めている特別養護老人ホームの場合になりますが、看取りをしている施設に勤めていても、自分の夜勤の時に看取り対応をしなければならなくなる可能性はそれほど高くないです
わたしのように年2人ペースくらいで当たるのは珍しいケースで、4年勤めていてもまだ1度も当たっていない介護士は多いです
ですが、現在も看取り介護は増えてきていますので、看取り介護を実施している施設に勤めている場合は心構えはしておきたいですね
看取り実施施設の夜勤をしている介護士さん、夜勤の時の看取りが不安、看取りの際どう対応すれば良いか分からない方に、施設によって対応の仕方は異なりますが、参考までに2つの特別養護老人ホームで看取り夜勤を経験した体験談をまとめてみました
結論から!夜勤で看取りに当たると大変!
結論から言いますと、自分の夜勤の日に自分の受け持っている部署で看取りに当たると本当に大変です
夜勤時に看取りに当たった時の流れについて、わたしの勤めていた、現在勤めている施設の対応の仕方になりますがまとめてみました
夜勤入りの夕方に医療職より申し送りがある
夜勤入りの時に、大体の施設で医療職から申し送りがあると思います
○○さんは現在酸素2リットル継続中ですとか、○○さんの酸素飽和度が90%以下になったら夜間当番に連絡下さいといった、急変の可能性のある入居者さんの状態の申し送りがあります
もし、この申し送りの時に、えっ?どんな状態になったら電話すればいいの?と分からなければ、そこで直接医療職に確認しておきましょう
同じ施設でも、入居者さんによって、またご家族によって望む対応が異なる場合があります
施設で看取りを行う場合、看取り加算などがある施設では、看取り介護計画書が作成され、ご家族が了承している場合がほとんどですが、それでも不安であれば一応確認しておきましょう
当日一緒に勤務する同じフロアの夜勤者に一言伝えておく
看取りを実施している施設であれば、夜間施設内に複数の夜勤者がいる場合がほとんどだと思います
わたしが現在勤めている特別養護老人ホームでは、同じフロアに夜勤者2名体制なので、同じフロアのもう一人の夜勤者に何かあった場合や急変時には連絡することになります
施設によっては、全フロアの夜勤者の中に責任者(リーダー、班長など)がいる場合があります。施設の対応の仕方に沿って、責任者に連絡する場合は責任者に一言お願いしますと伝えておくと良いです
ペアになる夜勤者が、看取り経験のある主任やユニットリーダークラスだと少しほっとします
看取りに当たりそうな入居者さんの日中の様子を日勤者から申し送りを受ける
夜勤業務が始まる前に、日勤者から前日の夜間の様子と日中の様子の申し送りを受けましょう
そして、実際にその入居者さんの様子を見に行き、呼吸状態や手足の様子の確認をしておきます
看取りを何人も経験してくると、手足の冷感や呼吸状態、バイタル測定可能かどうかなどで今晩かもしれないと覚悟ができます
はじめの内は分かりません。はじめの内は、酸素吸入している様子だけで、今晩かもしれないと不安になります
その入居者さんの体力にもよりますが、今までの経験からしても、どのくらいで急変するかは本当に個人差があり一概には言えません
ですが、いつどうなるか分からないという心構えで夜勤勤務に入りましょう
他の入居者さんの対応もしながらいつもより多く訪室する
看取りに当たりそうだからといって、その入居者さんだけ見てはいられません
いつもの業務をこなしながら、他の入居者さんの対応をしながら、プラス看取り介護の入居者さんの様子を見ながら過ごすことになります
看取りの入居者さんのことは、いつもより多めに様子を見に行きましょう
状態の変化がないかを確認したり、ガーゼなどをぬらして、口腔内を湿らせたりといった口腔ケアも大切です
特に絶飲食になっている場合は、口腔内が乾燥することが多いので、こまめに口腔ケアをしてあげましょう
いつ急変しても対応できるように業務は前倒しして時間の余裕を確保しておく
入居者さんが急変して看取りに当たるかもしれない夜勤の日は、いつ看取りに当たっても対応できるように、
オムツ交換などを早め早めにまとめて済ませたり、洗濯など雑務がある場合は業務を前倒しして、時間の余裕を確保しておきましょう
また、記録などもしっかり取り、医療職からバイタル測定の指示があれば、決まった時間にバイタル測定、呼吸状態が変化した場合などもバイタル測定しましょう
看取りを実施している施設では看取り加算を取っている施設がほとんどだと思いますので、記録はしっかり取っておきましょう
記録に関しては、主観を入れず客観的に記録します。苦しそうにしているなど、自分の主観ではなく、測定したバイタル値や口腔ケアを行った、体位交換行った、オムツ交換時排尿が見られなかったなど、客観的事実を記録するようにしましょう
自分のごはんなども早めに食べておく
自分の食事も早めに済ませておきましょう
看取りに当たるかもと前もって分かっている時は、短時間で食べやすいおにぎりやサンドイッチ、菓子パンなどを持参すると良いです
レンジで温めたり、空いたお弁当箱を洗ったりといった手間がかからない、すぐ食べられるものを持参しましょう
わたしは、日勤者が帰って一人になり、19時の巡回が済んだら直ぐ夕ご飯を食べます。日付が変わっても急変の可能性がある場合は、かなり早く2時くらいに朝ごはん?を食べることが多いです
何か変わった!どうすれば良いか分からない場合はすぐ別の夜勤者に来てもらう
何か呼吸状態が苦しそうになった、顔色がわるいなど不安な場合は、もう一人の夜勤者に連絡して一緒に様子を確認してもらいましょう
特に、看取り初心者介護士の場合、どうすれば良いかも看護師に連絡した方が良いかも判断できません
もう一人の夜勤者がたとえ看取りの経験がなくても、二人で判断することでより冷静に落ち着いて判断ができます
わたしの以前勤めていた施設も、現在勤めている施設も、夜間当番の看護師に連絡する前に、夜勤者二人で状態・状況を確認してから連絡することになっています
他の入居者さんの対応をして訪室したら呼吸していなかった
看取りに当たりそうな夜勤でも、他の入居者さんのお世話はしないと行けません
他の入居者さんの対応をして終わって、大丈夫かなと思い訪室すると、えっ?呼吸してない?となる場合があります
その場合は、再度もう一人の夜勤者に来てもらいます。これは呼吸止まってるねとなった場合は、夜間当番の医療職に電話連絡します
呼吸が確認できません、○○さんと一緒に確認しましたと伝えましょう
ここで気を付けたいのが、自分が呼吸が止まっていることを確認しても、隣の夜勤者と二人で呼吸が止まっているのを確認しても、まだお亡くなりになったということにはなりません
嘱託医など医師の死亡診断があって、はじめてお亡くなりになりましたとなります
ですので、酸素吸入などをしている場合は酸素吸入はそのまま継続します。もういいかと誤った判断をせず、何もさわらず酸素吸入を続けて医療職・医師の到着を待ちましょう
記録を見直し他の入居者さんの様子を巡回して確認する
夜間担当の医療職が来るにしても、嘱託医が来るにしても、何時にどういう様子だったか、何時に呼吸が確認できなくなったかなど、時間と状態を正しく伝える、正しく記録しておく必要があります
ここからは、チームプレーになります。もう一人の夜勤者が宿直さんに連絡し通用口を開けてくれたり、エンゼルケア用の準備をしたりしてくれます
先ずは、記録を整理しておきましょう。そして、他の入居者さんの巡回をしておきます
医療職から嘱託医に連絡、医療職が家族に連絡する
医療職が到着したら、何時何分にこういう様子だった、何時何分に行くと呼吸が確認できなかった、何時何分に隣の夜勤者を呼んで確認した、それで何時何分に連絡しましたと、分単位までの報告が必要になります
医療職到着後、嘱託医が到着しはじめて死亡診断となります
その後、ご家族が到着します。看取り期間が長かった場合は、葬儀会社の手配などの準備をされていらっしゃる場合がほとんどですが、
思っていたより早かったとか、ご家族がお亡くなりになるという現実を受け止められていなかった場合などは、葬儀会社の手配そこからでお見送りまでに時間がかかることもあります
家族には医師から死亡が伝えられます
そして、お見送りにあたって着てもらいたい服がありますか、一緒にお見送りの準備をされますかと医療職が家族に確認します
これを用意していましてとか、これを着せて下さいとか、一緒に身体を拭きたいですとおっしゃるご家族は実際にはおらず、お任せします、お願いしますとなる場合がほとんどです
医療職と二人でエンゼルケアをする
その後、医療職と自分と二人でエンゼルケアをすることになります
最後に身体をきれいにし、お見送りの準備をするケアです
これが、想像する以上に大変です。他の入居者さんの対応をしながら、エンゼルケアもしないといけないからです
ペアになった夜勤者にもよりますが、コール対応はしようか?とピッチを預かってくれる夜勤者もいます
それでも、叫び声がして床に寝ていたとか、廊下まではって出てきたなど、対応せざるを得ない場合はあります
医療職はエンゼルケアを早く進めたがることがほとんどですが、緊急を要する他の入居者さんの対応が必要な場合はちゃんと伝えましょう
エンゼルケアは、最後のオムツ交換をし身体を拭き着替えをします。現在の施設では、浴衣が用意されています
エンゼルケアが終わったら、再度家族に部屋に入ってもらいます。その時に、葬儀会社がどこの会社で何時に迎えにくるかといった情報が得られます
エンゼルケアが終わったら通常業務に戻り遅れを取り戻す
看取りからエンゼルケアを終えるまでに、約2時間くらい通常業務が出来ない場合があります
エンゼルケアが終わったら、他の入居者さんの巡回に行き、トイレの声掛けが出来ずに尿がもれていて服を着替えないといけない状態だった、オムツ交換の時間が遅れたため布団までぬれていたなどの対応に追われます
時間の余裕を確保しておこうと、業務を効率良く前倒ししていても、遅れを取り戻すのは大変です
何の用意もしてなくて、いつも通り仕事していて巡回に行ったら、急に呼吸が止まっていたとなると、日勤者が来るまで業務に追われる、朝出勤してきた日勤者も業務に追われる、自分がごはんを食べる時間も座る時間もないといった状況になります
この通常の業務にプラスで、そこに時間をずらせない家族の対応、エンゼルケアが入ることが、夜勤時の看取りで大変なところです
一人夜勤で看取りしないと行けない場合は転職を考えた方がいい
わたしは、複数の夜勤者がいる施設でずっと夜勤業務をして来ました
たまに中途採用で職員が入ってきて、一人夜勤の施設で看取りするのが大変でつらくて辞めたとか、
一人夜勤で看取りに当たってほかの利用者さんの世話ができなくてけがをさせてつらい思いをしたとか、一人夜勤をもうやっていられない、職場に行けなくなったという話を良く聞きます
気持ちがすごく分かるというか、それは転職して正解でしたよといつも言います
わたしのように、フロア二人体制で夜勤をしていても、看取りに当たると自分だけでなく同じフロアの夜勤者も大変になります
朝まで座る暇がない、日勤者が来る時間になってもオムツ交換が終わらず起床介助が出来ていないという場合も良くあります
看取りに限らず、夜間の事故対応や救急搬送などが必要な場合もあるので、一人夜勤だと難しいと思います
緊急時の対応を他の入居者さんのお世話と同時進行で進めることになるため、一人夜勤の場合だとすべての入居者さんの安全を守ることが難しくなる可能性もあると思います
どんなに給与が高くても、待遇が良くても、一人夜勤は避けた方が良いです。介護士はあくまでも介護のプロであり、医療職ではありません。すべての責任を負うことはできないと思いますしトラブルになった時も困ります
一人夜勤の施設・事業所は小さい場合が多いので、大きい施設に転職するだけで、一人夜勤から解放され、年収がアップする場合がほとんどだと思います
夜勤時の看取りは段取り・心がまえが大切!
今まで、自分の夜勤時に10人の看取りを経験しましたが、経験はあってもやはりくたくた、ぼろぼろです
人が目の前で亡くなるということ自体がショックですし、他の入居者さんの対応をしながら、いつもの業務にプラスなのでかなりの仕事量になります
慣れて来ると、今日はあぶないかな、早めのパターンで行こうと準備も出来たりしますが、何も用意してなくてとなると、本当に想像を絶するくらいのスケジュールになると思います
看取り介護でわたしが心がけていること
とはいえ、看取りはその入居者さんにとっても、ご家族にとっても本当に重要です
わたしも、看取り介護の入居者さんを見ながら、きっと良い人生だっただろうに、なのに何で出会って1年くらいのわたし一人に見送られることになるんだろうかと良く思います
ですので、呼吸が止まる瞬間に居合わせたいですし、もしその瞬間に間に合わなければ、できるだけ早く見つけてあげたいと思っています
看取り介護が大変であれば大変であったほど、自分はできることはすべてやったと自分に言い聞かせることができます
それでも、もっとこうすれば良かった、あの時にこうするべきだったとか、あとから必ず後悔します
看取り介護の入居者さんに時間割けるように段取りしておくことが大事!
看取り夜勤の場合は、看取りを予測してどれだけ段取りが出来ているかが重要になります
他の業務の段取りが出来ていれば、看取り介護の入居者さんのために時間を割くことが可能になります
わたしは新卒で就職した会社で、段取り8割・仕事は2割と教わりました。本当にその通りだと今も思っています
以後、いろいろな仕事に就いて、フリーランスで自分で仕事をしていた時もずっと
段取り8割・仕事は2割と意識して、仕事に取り組んできました
介護の仕事でもそうです。段取りが大切です。何度も看取りを経験すると、その段取りがいかに大切かが分かります
まとめ!夜勤時の看取りは経験があっても大変!
結論としては、やはり夜勤時の看取りは体力的にも負担が多く、精神的なショックも大きいです
何と言っても、目の前で人がお亡くなりになるわけです。医療職であればともかく、介護職は経験をいくら積んでも、割り切って冷静に対応することは難しいと思います
それができるようになるのがプロですよ!と良く言われますが、わたしはまだまだです
夜勤時の看取りは大変だが転職に活かせる可能性あり!
わたしは、48歳で異業種から介護職に転職して、51歳で介護福祉士資格取得、資格取得後に転職エージェントを利用して、年収100万円アップの転職ができました
なぜ、そんなに上手く転職が出来たのかと振り返って考えてみると
この3点があったからだと思います
介護支援専門員(ケアマネ)資格や他の国家資格でも持っていない限り、介護職が転職で年収100万円アップするには、夜勤ができる(夜勤勤務の経験がある)、介護福祉士資格を取得している、看取り経験があることは必要だと思いました
ですので、看取りはつらいし不安、夜勤時の看取りなんてしたくない介護士さん!その経験はきっと転職に活かせますよ!と思っています
介護職の転職は、介護職に特化した転職エージェントを利用した方が、希望する求人案件に出会えますし、担当者が施設・事業所と年収や待遇に関しても交渉してくれます
地方在住の求人情報も多くない状況で厳しい現実に直面にした体験、転職エージェント利用のメリット・デメリット、転職エージェント担当者とのやり取りのコツ、上手な活用法についてまとめてみました
そもそも、夜勤をしたことない、夜勤なんて無理と思っている介護士さんに、48歳で人生はじめての夜勤勤務をした経験についてまとめてみました
年収アップに直結する介護福祉士資格は必ず取得しておきましょう。転職にも有利です
未経験から介護福祉士試験の受験資格を得るまで、実務者研修について、使える貸付金・給付金制度、試験対策のためのおすすめ勉強法、試験前日・当日のタイムスケジュールについて詳しくまとめています!
経験も努力したことも、無駄にはなりません。しっかり経験を積んで、介護士として仕事を続けられるより良い施設・事業所への転職にチャレンジしてみましょう!